足底腱膜炎の原因と治し方
投稿日:2025年6月21日 / 最終更新日:2025年7月14日
かかと、足裏のピキッとした痛みでお困りではないですか?
✅朝ベッドから起き上がった時の一歩目が痛い
✅長時間歩いているとかかとの付け根が痛くなってくる
✅足裏が痛くて思うようにスポーツができない
このような症状でお困りでしたら足底腱膜炎(足底筋膜炎)の可能性が高いです。
足底腱膜炎とは足裏の足底腱膜に反復ストレスがかかり、足底腱膜が微細な損傷を起こし、組織が変性してしまう病態です。
足裏の踵の付け根の少し内側を押すと、ズキッとした限局した痛みがあります。
足底腱膜炎は中々完治せず、3カ月以上の長期にわたり痛みを伴う症例が多くあります。
足底腱膜炎を完治させるためには、高いエビデンスがある正しい治療を行っていくことがとても大切です。
足底腱膜炎の内的な原因
1)扁平足
扁平足とは足裏のアーチが潰れて土踏まずがなくなっている状態です。
足裏のアーチが潰れていると足底腱膜が常に引っ張られている状態になっているため発症リスクが高くなります。
2)ハイアーチ
ハイアーチとは扁平足とは逆に足裏のアーチが高く、甲高の足の状態です。
ハイアーチは足裏のクッション性の低下を起こしやすく発症リスクが高くなります。
3)足首が硬く背屈制限がある
背屈制限とは足首が硬く、足首を反らせる動作に制限があることです。
踵を床から浮かせないようにして、しゃがむ動作が苦手な人は足首の背屈制限があります。
足首の背屈制限があるとふくらはぎの筋肉が硬くなり足底腱膜への負荷が大きくなるため発症リスクが高くなります。
4)加齢や体重の増加
加齢により足底腱膜のコラーゲン繊維が硬くなることに加えて、体重増加は足底腱膜への負荷が大きくなるため発症リスクが高くなります。
足底腱膜炎の外的な原因
1)オーバーユース
オーバーユースとは使いすぎのことです。
長時間のスポーツや、歩きすぎ、立ち仕事などは足底腱膜への負荷が大きくなるため発症リスクが高くなります。
2)硬い地面を歩くことが多い
アスファルトやコンクリートなど硬い地面で作業されている方が、足底腱膜炎を発症するリスクが高くなります。
3)ライフスタイルの変化
急に運動を始めた、デスクワークから立ち仕事に変わったなど、
足裏に負担が増すようなライフスタイルの変化は、足底腱膜炎を発症するリスクが高くなります。
4)シューズや履物が悪い
デッキシューズ、ハイヒール、パンプス、スパイク、スリッパなど、クッション性の低い履物は足底腱膜への負荷が増大します。
サイズの合っていない靴、特に大きめの靴を履いていると足底腱膜への負荷が増大します。
このようなクッション性の低い靴や、サイズの合っていない靴を履いていると足底腱膜炎を発症するリスクが高くなります。
足底腱膜炎の治療法
1)体外衝撃波
体外衝撃波は足底腱膜炎に有効であるという高いエビデンスがあります。
体外衝撃波を患部にかけることによって、変性してしまった組織を再生する効果が認められます。
少々痛みを伴う治療法ですが、根本的に足底腱膜炎を治療するには、治療法の第一選択肢になると当院では考えております。
体外衝撃波治療で重要なことは、適切な強度で、患部に正確にアジャストして施術する技術です。
当院ではエコー検査と触診で患部をしっかりと確認し施術を行っております。
2)足首の背屈制限を改善
背屈制限とは足首が硬く、足首を反らせる動作に制限があることです。
前述しましたが背屈制限があると足底腱膜への負荷が増大しますので、できるだけ改善できるように対策をするべきです。
当院ではふくらはぎのマッサージとストレッチ、アキレス腱後方の脂肪帯の操作、足首の中心の骨(距骨)の矯正を行い、足首の背屈制限を改善していきます。
3)マシンピラティス
変性して弱化してしまった足底腱膜が、本来の強さまで回復できるように負荷をかけていきます。
足底腱膜炎の運動療法として、一般的にはカーフレイズという踵上げ動作のエクササイズが良く行われます。
当院ではカーフレイズと併用して、マシンピラティスを用いて足底腱膜の強化を行っていきます。
4)インソール療法
インソールによって足のアーチを上げるサポートを行うと、足底腱膜が引っ張られる力を軽減することができますので、インソールを入れた瞬間から痛みが軽減することが多いです。
また、踵の衝撃を吸収する効果のあるインソールを使用すると、着地の際の痛みを和らげることができます。
当院ではフォームソティックス・メディカルという医療用のカスタムインソールを使用しております。
5)シューズの見直しとアドバイス
シューズを見直すだけでも足底腱膜炎に対して有効な治療になります。
多くの人は実際のサイズより大きいサイズの靴を履いています。それは自分の足幅を知らないことが原因です。
大きいサイズの靴を履いていると、靴の中で足が動いてしまうため、足底腱膜が引っ張れる力が増強して痛める原因となります。
当院では患者さんの足幅を含めた足のサイズを測定させて頂き、おススメシューズのご提案をさせて頂きます。
最後に治療院の選び方について
足底腱膜炎の症状は3カ月以上の長期に渡る症例が多く、1年以も痛みを我慢している人もいらっしゃいます。
足底腱膜炎は正しい治療を行っていけば殆どが治ります。
逆に適切ではない治療法である、患部への電気治療、超音波治療、マッサージ、そして骨盤矯正などでは中々治ることは困難だと考えます。
足底腱膜炎の治療法は体外衝撃波と運動療法に高いエビデンスがありますので、これらを行っている整形外科や整骨院を選ばれることをおすすめします。
歩けるようになれば良いのか、ジョギングがしたいのか、スポーツの競技復帰をしたいのか、
ゆっくりでいいので痛くない治療法を望むのか、できるだけ早く治したいのかなど、治療ゴールの目標設定は一人ひとり異なります。
ですから当院では患者さんのご意向に寄り添って治療計画を立てていきます。
千葉エリア、津田沼エリアで足底腱膜炎でお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
伊集院鍼灸整骨院千葉中央院・津田沼院 代表 伊集院博
著者プロフィール 伊集院 博
兵庫県神戸市生まれ。千葉県千葉市在住。2007年に千葉市中央区にて伊集院鍼灸整骨院を開業。現在は千葉県で2店舗の鍼灸整骨院の代表を務め、院内にマシンピラティススタジオの併設、保育士在籍の託児所を併設するなど、独自のスタイルで運営している。
著書『ゴールデンライン 美しい姿勢をつくる44のレッスン』
ミッションは『笑顔の輪が広がる』。一人一人の患者様の笑顔を大切に、そして家族や地域に笑顔の輪が広がる活動を行っております。
主な資格と実績
- 伊集院鍼灸整骨院グループ代表
- 柔道整復師(国家資格)
- 鍼灸師(国家資格)
- ケアマネージャー
- BESJ認定ピラティストレーナー
- BTA認定バレエダンサートレーナー
- ハワイ大学解剖実習終了
- 治療家大學技術講師就任
