産後・子育て世代に多い隠れ側弯症

投稿日:2026年2月16日 / 最終更新日:2026年2月16日

―「側弯症に気づいていない人」が一番多い時期に、知ってほしいこと ―

産後や子育てが始まってから、

・姿勢が崩れやすくなった

・骨盤のゆがみを感じる

・クビレの位置が左右で違う

・肩こりや背中がつらい

・腰痛がひどくなった

そんな不調や違和感を抱えていませんか。

多くの方は、

「産後だから仕方ない」

「育児で疲れているだけ」

そう考えてやり過ごします。

もちろん、産後や育児は体に大きな負担をかけます。

しかしその不調の背景に、

大人の側弯症が隠れているケースも、実際には少なくありません。

産後に増える肩・背中・腰の不調は、年齢や育児だけが原因ではありません

30〜40代の産後・子育て世代は、

・抱っこや前かがみ姿勢が続く

・左右どちらかに偏った動作が増える

・体を休める時間が極端に少ない

といった状況に置かれています。

その結果、

・筋肉の緊張が抜けにくくなる

・姿勢を支える感覚が鈍くなる

・体の左右差が強調される

こうした変化が起こります。

そして、もともと気づかれていなかった側弯症があると、

不調が一気に表面化することがあります。

側弯症を自覚している人と、自覚していない人がいます

臨床の現場で感じるのは、

大人の側弯症には大きく分けて2つのタイプがある、ということです。

一つは、

自分が側弯症であることを自覚している人。

この方たちは、

子どもの頃の学校検診などで

背骨の曲がりを指摘された経験があります。

一方で、

まったく自覚のないまま大人になった人もいます。

30〜40代では、

側弯症を自覚していない人の方が、意外と多い印象です。

自覚のないまま大人になり、当院で初めて知るケース

側弯症を自覚していない方の多くは、

・学校検診で特に指摘されたことがない

・側弯症について考えたこともない

という経緯をたどっています。

そして、

・育児中の肩こり・背中の痛み・腰痛

・産後の骨盤や股関節の不安定感

・姿勢の崩れ、体型の変化

をきっかけに来院され、

当院で初めて「側弯がある可能性」を知ることになります。

もちろん、

私たちは医師ではありませんので、

側弯症の診断を行うことはできません。

しかし、

・姿勢の左右差

・動作時の体の使い方のクセ

・側弯症特有の歪み方

などから、

今、体に何が起きているのかを正しく判断することはできます。

臨床上よく感じる事実:「思っている以上に、背骨がしっかり曲がっている方」が意外と多い

臨床の現場に立っていて、

30〜40代の産後・子育て世代の方を診ていると、

ある共通点を感じることがあります。

それは、ご本人が思っている以上に、

「背骨の左右差がはっきりしているケースが意外と多い」ということです。

多くの方は、

・側弯症と言われたことがない

・学校検診で指摘された記憶もない

・自分の背骨が曲がっているとは思っていない

そうお話しされます。

しかし実際には、

姿勢や動作を丁寧に観察すると、

・立位での肩や骨盤の高さの違い

・体幹の左右バランスの崩れ

・前屈時に現れる背中や腰の盛り上がり

といった所見が確認できることがあります。

前屈位で行うアダムステストでは、

・肋骨が盛り上がる「リブハンプ」や、

・腰部の左右差である「ランバーハンプ」が

はっきり見えるケースもあります。

また、

体幹の回旋角を示すATR(体幹回旋角)を測定すると、

5°以上の傾きが確認される方も、決して珍しくありません。

もちろん、

私たちは医師ではありませんので、

側弯症の診断を行うことはできません。

ただ、

これらの所見を総合すると、

専門的な表現では、

推定でコブ角20°以上と考えられる状態が、

背景にある可能性も十分に考えられます。

そして重要なのは、こうした方の多くが、

自分の背骨の状態を自覚していないという点です。

だからこそ、

産後や子育てをきっかけに現れる「身体の違和感」を、

単なる疲れや年齢の問題として片づけてしまう前に、

一度立ち止まって体の状態を見直すことが大切だと感じています。

なぜ30〜40代・産後のこの時期に問題が表面化するのか

この時期は、

側弯症が「悪化する」というよりも、

不安定さが表に出やすくなる時期だと感じています。

・妊娠・出産による体幹支持の変化

・子育て動作による左右差の蓄積

・休息不足による回復力の低下

これらが重なり、

それまで何とか保たれていたバランスが崩れ始めます。

その結果、

・痛みやこり

・姿勢の崩れ

・身体の不安定感

・疲れやすさ

といった形で、

体からサインが出てくるのです。

この時期に気づけるかどうかで、その後の経過は大きく変わります

30〜40代・産後〜子育て期は、

まだ大きな構造破綻が起きていないケースが多い時期です。

だからこそ、

・体の崩れ方を理解する

・無理な我慢をしない

・早めに対策を取る

ことができれば、

その後の経過は大きく変わります。

逆に、

この時期に見過ごしてしまうと、

過去のブログでお伝えしたような

より深刻な段階へ進んでしまう可能性もあります。

※年齢を重ねたあとの側弯症については、

60代以降に特に気をつけるべきポイントを

別のブログでまとめています。

▶︎ 60代以降の大人の側弯症で気をつけるべきこと

「今は大丈夫そう」に見える時期こそ、実は一番大切です

痛みが強くない。

生活は何とか回っている。

だからこそ、

体からの小さなサインを後回しにしてしまいがちです。

しかし臨床上、

本当に大切なのはこのタイミングだと感じています。

大きく崩れてから立て直すよりも、

崩れ始めた段階で軌道修正する方が、体への負担は圧倒的に少なくて済みます。

※側弯症を放置した場合に、

実際にどのような経過をたどることがあるのかについては、

別のブログで臨床的な視点から整理しています。

▶︎ 大人の側弯症が悪化していく過程と、その先に起こり得ること

まとめ|この時期は「不安になるため」ではなく「軌道修正するため」にあります

このブログは、

不安を煽るためのものではありません。

30〜40代・産後〜子育て世代は、

まだ守れる時期です。

側弯症を自覚していなくても、

体の使い方や姿勢のクセによって、

不調が出ることはあります。

だからこそ、

・自分の体の状態を知る

・早めに向き合う

・無理を重ねない

その選択が、

将来の体を守ることにつながります。

関連記事はこちら

▶︎ 60代以降の大人の側弯症で気をつけるべきこと

▶︎ 大人の側弯症が悪化していく過程と、その先に起こり得ること

著者プロフィール 伊集院 博

兵庫県神戸市生まれ。千葉県千葉市在住。2007年に千葉市中央区にて伊集院鍼灸整骨院を開業。現在は千葉県で2店舗の鍼灸整骨院の代表を務め、院内にマシンピラティススタジオの併設、保育士在籍の託児所を併設するなど、独自のスタイルで運営している。
著書『ゴールデンライン 美しい姿勢をつくる44のレッスン』
ミッションは『笑顔の輪が広がる』。一人一人の患者様の笑顔を大切に、そして家族や地域に笑顔の輪が広がる活動を行っております。

主な資格と実績

  • 伊集院鍼灸整骨院グループ代表
  • 柔道整復師(国家資格)
  • 鍼灸師(国家資格)
  • ケアマネージャー
  • シュロスベストプラクティスⓇ
    (側弯症運動療法の資格)
  • 側弯症ピラティスインストラクター
  • BESJ認定ピラティストレーナー
  • BTA認定バレエダンサートレーナー
  • ハワイ大学解剖実習終了
  • 治療家大學技術講師就任
ゴールデンライン 美しい姿勢をつくる44のレッスン

院長の伊集院が姿勢の問題を抱える女性に向けた著書

「ゴールデンライン 美しい姿勢をつくる44のレッスン」を出版。

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