「右の背中だけがいつも凝って痛くなる...」結論!原因は仕事中の姿勢にありました!

投稿日:2025年12月17日 / 最終更新日:2025年12月18日

― デスクワークが引き起こした右側の首・肩・背中のコリと痛み ―

先日、右の首・肩・背中のこりと痛みを訴える40代男性のTさんが来院されました。

M.Tさんの紹介でのご来院です。

特に右肩甲骨の内側の痛みを強く訴えておりました。

慢性的に痛みはあったものの、ここ1週間ほどは特にひどく、
「マッサージガンを常に持ち歩いています」

とのこと(◎_◎;)

なんと、居酒屋でお酒を飲んでいる最中にもマッサージガンを使うほど。
それほどまでに、日常生活の中で痛みがつらかったようです。

お仕事を伺うと、職業はテレビ局の記者。
現場取材とデスクワークを行き来する、かなりハードな働き方をされていました。

 

検査で分かったこと ― 頚椎(首の骨)そのものが原因ではない

まずは、神経症状や頚椎由来の痛みがないかをチェックします。

  • ジャクソンテスト
  • スパーリングテスト
  • ライトテスト

いずれも陰性。
しびれや神経症状もなく、頚椎のトラブルが主原因とは考えにくい状態でした。

次に姿勢を評価すると、明らかな特徴がありました。

  • 右肩が挙上している
  • 右肩が内側に巻き込まれている
  • 右肩上がりの巻き肩姿勢

 

「これは頚椎の問題ではなく、体の歪みの問題だ」

と私の中では確信に近い状態でした!

 

姿勢を見て、ある質問をしました

姿勢を見た瞬間、私はTさんにこう質問しました。

「デスクで、PCを何台か同時に使っていますか?」

すると、
「はい、2台です」と即答。

さらに続けて聞きました。

「体の左側にある画面を見ながら、左側でキーボードを打つことが多くないですか?」

するとTさんは、
「まさにその通りです!なんで分かるんですか?」
と、少し驚いた様子でした。

かなり長い期間、その姿勢で仕事を続けてきたとのこと。

「カウンセリングの時点で、生活を変えるだけでかなり良くなるだろうな」
と感じていました(笑)

要するに、体の左にキーボードがあると、右肩が内側へ巻き込んでしまい、

右の肩甲骨が外側へ引っ張られることが、背中の痛みの原因なっている可能性が非常に高い。

という推測です。

 

治療内容 ― 凝り固まった身体を一度リセット

とはいえ、すでに強い痛みが出ている状態です。
まずは整体で身体を整えていきます。

背筋を伸ばし、猫背姿勢を改善

そして、右の肩甲骨周囲の筋膜リリース(いわゆる肩甲骨はがし)

この時は

「イタタタタタタッ!」
と、北斗の拳のケンシロウのような声が院内に響き渡るほど(笑)

因みにですが、そんなに強く押してないです。

それだけ、長期間にわたり筋肉が硬くなっていたということですね。

さらに、ストレートネック傾向で頭が前に出ていたため、
首の付け根の筋膜リリースも行いました。

手技としては、これで終了です。

 

施術後の変化

施術後、Tさんは首や肩を動かしながら、

「あれっ……全然痛くないです」

と、驚いた表情で言われていました。

もちろん、これで「すべて完治」というわけではありません。
しかし、痛みをリセットすることはできました。

 

日常指導が最も重要です

施術後は、簡単な運動指導を行いました。

前鋸筋、広背筋を使って肩を下げるためのトレーニングです。

とてもまじめな方で、
「毎日やります!」
と即答。

さらに、
「PCの配置は必ず変えてくださいね」
とお伝えすると、
「明日やります!」
と、こちらも前向きな返答でした。

 

なぜ痛みが出ていたのか ― 専門的な視点

筋肉のコリは、筋肉が持続的に引っ張られている状態で起こります。

専門的には、
アイソメトリック収縮(等尺性収縮)
と呼ばれます。

これは、
「筋肉の長さが変わらないまま力が入り続ける状態」
のこと。

この状態は、非常に疲労しやすいという特徴があります。

  • 巻き肩 → 背中の筋肉が左右に引っ張られる
  • ストレートネック → 首の筋肉が上下に引っ張られる

つまり、
上下・左右から常にアイソメトリック収縮がかかっている状態で、
長時間デスクワークをしていたということです。

これで痛みが出ない方が不思議ですよね!

 

まとめ

不良姿勢を日常から改善できれば、
肩こり・首こり・背中のこりや痛みから解放され、
健康な身体を取り戻すことができます。

痛みの原因は、人それぞれ違います。
なぜなら、日常生活の背景が一人ひとり違うからです。

私は治療家であり、ピラティストレーナーでもあります。
ただマッサージや整体を行うのではなく、
動作分析・姿勢の癖・生活背景を見抜いたうえで施術を行うことを大切にしています。

首・肩・背中のこりや痛みでお困りの方は、
お気軽にご相談ください。

著者プロフィール 伊集院 博

兵庫県神戸市生まれ。千葉県千葉市在住。2007年に千葉市中央区にて伊集院鍼灸整骨院を開業。現在は千葉県で2店舗の鍼灸整骨院の代表を務め、院内にマシンピラティススタジオの併設、保育士在籍の託児所を併設するなど、独自のスタイルで運営している。
著書『ゴールデンライン 美しい姿勢をつくる44のレッスン』
ミッションは『笑顔の輪が広がる』。一人一人の患者様の笑顔を大切に、そして家族や地域に笑顔の輪が広がる活動を行っております。

主な資格と実績

  • 伊集院鍼灸整骨院グループ代表
  • 柔道整復師(国家資格)
  • 鍼灸師(国家資格)
  • ケアマネージャー
  • シュロスベストプラクティスⓇ
    (側弯症運動療法の資格)
  • 側弯症ピラティスインストラクター
  • BESJ認定ピラティストレーナー
  • BTA認定バレエダンサートレーナー
  • ハワイ大学解剖実習終了
  • 治療家大學技術講師就任
ゴールデンライン 美しい姿勢をつくる44のレッスン

院長の伊集院が姿勢の問題を抱える女性に向けた著書

「ゴールデンライン 美しい姿勢をつくる44のレッスン」を出版。

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