【実例】半年でコブ角25度から31度に進行
投稿日:2026年1月1日 / 最終更新日:2026年1月1日
小学6年生・成長期の側弯症で起きていたこと
最近、当院にこのようなご相談がありました。
小学6年生の女の子。
半年前のレントゲンではコブ角25度。
病院では「経過観察」と言われていましたが、半年後の検査で31度まで進行していたとのことです。
親御さんが最も強く望んでいたのは、
**「手術だけは絶対に避けたい」**という想いでした。
半年で進行した背景にあった、見落とされやすい要因
この6か月間、病院で親御さんが受けた説明は
「姿勢に気を付けてください」
という言葉だけだったそうです。
・どの姿勢に注意すべきなのか
・何をすると進行しやすいのか
・日常生活でできる具体的な対策
そうした説明は特になく、
「見ているだけで本当に大丈夫なのか?」
という不安を抱えながら過ごしていたとお話しくださいました。
また、このお子さんは初潮前(成長スパート直前)の時期でした。
実はこの時期は、側弯症が最も進行しやすいタイミングのひとつです。
25度を超え、なおかつ成長期に入る前後。
進行してしまったこと自体は、決して珍しいケースではありません。
経過観察中、多くの親御さんが直面する「情報の壁」
病院で具体的な指導がなかったため、
親御さんは「何か良い方法はないか」とネットで調べ始めたそうです。
しかし実際に目に入ってくるのは、
・根拠がはっきりしない民間療法
・強い言葉で不安をあおる広告
・本当に信じてよいのか分からない情報
ばかりだったとのこと。
結果として、
当院にご相談いただくまでに、結果として約6か月かかりました。
これは決して判断が遅れたわけではなく、
そうなってしまう構造そのものに問題があると、私たちは感じています。
コブ角25度から31度が意味する「現在地」
コブ角25度を超えると、
医学的には装具療法を検討する段階に入ります。
31度という数値は、
「様子を見るだけ」で安心できるラインではありません。
ただし同時に、小学6年生の成長期なので、
まだ角度の減少を狙える可能性が残っている段階でもあります。
ここからどう動くかで、
将来の選択肢は大きく変わってきます。
親御さんの強い想い「手術は絶対に避けたい」
この症例での親御さんの希望は明確でした。
「できることなら手術は避けたい」
「将来に後悔が残らない選択をしたい」
その想いで来院されました。
背景には、お母さまの知人で側弯症の手術を繰り返している方がいるというお話がありました。
その姿を見て、手術に対して強い不安や疑問を抱いていたそうです。
「本当によくなるのか?」
「娘に何回も手術をさせたくない」
だからこそ、いまの段階でできること、手術以外の選択肢、そして将来のリスクを少しでも減らす方法を知りたい。
そんな強い願いを感じました。
装具療法は「どれでも同じ」ではありません
装具療法と聞くと、
「どの装具でも同じでは?」
と思われる方も少なくありません。
しかし実際には、
装具によって目的も矯正力も大きく異なります。
たとえば一般的なボストン型装具は、
・主な目的は「現状維持」
・多くの場合、医師からも
「これ以上悪化しなければ良い」と説明されます
一方、ゲンシンゲン装具は考え方が異なります。
・高い矯正力を前提とした設計
・角度の減少(改善)を目指す装具
・成長期だからこそ効果を発揮しやすい
ゲンシンゲン装具と運動療法の併用という選択
装具だけに頼るのではなく、シュロス法による運動療法を併用します。
当院では最新のシュロス法「シュロスベストプラクティス®」を提供しております。
・ゲンシンゲン装具で姿勢を矯正する
・シュロス法で身体の使い方として定着させる
この組み合わせにより、
成長期における角度減少や進行予防を目指します。
「経過観察=何もしない」ではありません
経過観察とは、本来
「何もしない」という意味ではありません。
海外では、
軽度〜中等度の段階から
運動療法を積極的に取り入れるケースも多くあります。
経過観察についてこちらの記事もご覧ください。
手術を避けるために“今”できること
・正しい情報を知る
・装具の違いを理解する
・早い段階で専門家に相談する
これらは、将来の選択肢を守るためにとても重要です。
手術を避けたい方はこちらの記事もご覧ください
同じ状況の親御さんへ
25度から31度に進行したと聞くと、
大きなショックを受けるのは当然です。
ですが、
この段階で気づけたこと自体が、大きな意味を持ちます。
一人で悩まず、
正しい知識と選択肢を知ったうえで、
一緒に最善の道を考えていきましょう。
まとめ
・側弯症は、成長期に進行しやすい疾患です。半年で角度が変化することも珍しくありません。
・「経過観察」は“何もしない”ではなく、“進行を見逃さない”ことが重要な期間です。
・装具には種類があり、装具選択や運動療法の併用の考え方で、その後の方向性が変わることがあります。
・だからこそ、今の段階で「現状」「リスク」「選択肢」を一度整理することが将来の安心につながります。
「手術は避けたい」「後悔したくない」――そう思うのは自然なことです。
まずは現状を整理し、今できる最善策を一緒に考えていきましょう。
経過観察と言われたときに、親として何ができるのかを詳しくまとめた記事はこちらです。
👉 【子どもの側弯症|経過観察と言われたけど、このままで大丈夫?】
手術をできるだけ避けたいと考える親御さんに向けて、
今できる具体的な対応をまとめた記事はこちらです。
側弯症と言われたら何を調べればいい?
基本的な情報・治療の流れについては
👉 側弯症について詳しくまとめた総合ページはこちら
著者プロフィール 伊集院 博
兵庫県神戸市生まれ。千葉県千葉市在住。2007年に千葉市中央区にて伊集院鍼灸整骨院を開業。現在は千葉県で2店舗の鍼灸整骨院の代表を務め、院内にマシンピラティススタジオの併設、保育士在籍の託児所を併設するなど、独自のスタイルで運営している。
著書『ゴールデンライン 美しい姿勢をつくる44のレッスン』
ミッションは『笑顔の輪が広がる』。一人一人の患者様の笑顔を大切に、そして家族や地域に笑顔の輪が広がる活動を行っております。
主な資格と実績
- 伊集院鍼灸整骨院グループ代表
- 柔道整復師(国家資格)
- 鍼灸師(国家資格)
- ケアマネージャー
- シュロスベストプラクティスⓇ
(側弯症運動療法の資格) - 側弯症ピラティスインストラクター
- BESJ認定ピラティストレーナー
- BTA認定バレエダンサートレーナー
- ハワイ大学解剖実習終了
- 治療家大學技術講師就任









