側弯症で「手術になる前」に知っておいてほしい ― ゲンシンゲン装具という選択肢 ―
投稿日:2026年1月15日 / 最終更新日:2026年1月20日
ゲンシンゲン装具をご存じですか?
側弯症と診断されたとき、
・このまま進行したらどうなるのか
・いつか手術と言われるのではないか
・何かできることはないのか
特にコブ角が20°を超えている方や、
お子さんの側弯症を心配する親御さんにとって、
将来への不安はとても大きいものだと思います。
このページでは、
「手術の一歩手前の時期に、ぜひ知っておいてほしい選択肢」として
ゲンシンゲン装具について、正確な情報をお伝えします。
※ここ述べる側弯症とは思春期特発性側弯症のことを指しますが、
大人の特発性側弯症の方にも当てはまる内容となっております。
側弯症で一番避けたいことは何か
多くの方にとって、
側弯症で最も避けたいのは手術ではないでしょうか。
一般的に、
・コブ角40°前後が手術検討の目安とされます
一方で、
・コブ角20°を超えたあたりから進行リスクが高くなる
ということも、広く知られています。
つまり、
コブ角が20°〜40°の間は「将来が大きく分かれる重要な時期」です。
手術手前の時期に、どんな選択肢があるか
この時期に取り得る選択肢は、大きく分けて次の4つです。
・何もしない
・運動療法
・装具療法
・民間療法
それぞれについて、現実的に整理してみましょう。
① 何もしないという選択
コブ角が20°を超えている方は、
進行リスクが決して低くありません。
側弯症は、
曲がっている方向に身体を使う方が楽、
という特徴があります。
そのため無意識のうちに、
・悪化させやすい姿勢
・偏った身体の使い方
を続けてしまう方がほとんどです。
「気をつけているつもり」でも、
正しい知識がなければ進行を防ぐことは難しいのが現実です。
② 運動療法という選択
現在、側弯症の運動療法の中で
最もエビデンスが高いものはシュロス法です。
シュロス法では、
側弯症のカーブと逆方向へ身体を使う、
いわゆる「オーバーコレクション」
を行います。
ここで注意が必要なのは、
・一般的な筋トレ
・パーソナルトレーニング
・ピラティスやヨガ
を側弯症の理解なしに行うことです。
側弯症の方は無意識にカーブ方向へ傾きやすいため、
オーバーコレクションを伴わない運動は
かえって背骨のカーブを悪化させてしまう可能性があります。
③ 装具療法という選択
コブ角20°以上の方の中には、
すでに装具療法を勧められている、若しくは着用されている方もいるでしょう。
一方で、
・窮屈そう
・かわいそうで着けさせられない
・見た目が気になる
・本当に効果があるの?
という理由から、
装具療法を強く拒否される方が多いのも事実です。
しかし、ここで知っておいてほしいのは、
装具はすべて同じではない
ということです。
ゲンシンゲン装具とは何か
一般的なボストン型装具などは、
主に「進行を抑える」目的で使われることが多い装具です。
一方、
ゲンシンゲン装具は「矯正」を目的とした装具です。
【ゲンシンゲン装具の大きな特徴】
1.カーブタイプ別に完全オーダーメイド設計
側弯症は、
カーブの位置・方向・回旋の程度が一人ひとり異なります。
ゲンシンゲン装具は、
・カーブパターンごとに設計が異なる
・AIが最適なデザインを作成
・すべてがオーダーメイド
する仕組みを採用しています。
そのため、
・個々に合わせた高精度な装具
・効果の再現性が高い
・世界的にも多くのエビデンス(科学的根拠)があり、改善効果が報告されている
という特徴があります。
2.必要最小限の固定
ガチガチに固める装具ではなく
・矯正効果
・生活のしやすさ
を両立するため、
最低限の固定で最大の効果を狙う設計になっています。
装具療法で最も重要な要素としては「続けられること」です。
3.調整可能で多くの症例で作り直すことが不要
病院で制作される多くの装具では、
・成長のたびに作り直す
・毎年新しい装具を作る
というケースが少なくありません。
しかし、ゲンシンゲン装具は
・身長の伸び
・体重の変化
・カーブの変化
に合わせて、
・上下方向の延長
・圧の調整
・矯正力の再設定
などを行うことができ、
多くの症例で作り直すことが不要となります。
もちろん、
・低年齢での装具開始
・体型変化が大きい場合
・カーブ変化が著しい場合
には再作成が必要なこともあります。
それでも、
成長期を1つの装具で乗り切れる可能性が高い
という点は、非常に大きなメリットです。
④ 民間療法という選択について
保存療法で
最もエビデンスが高いとされているのは、
・シュロス法の運動療法
・ゲンシンゲン装具
の併用です。
このことはSOSORT(側弯症の保存療法の国際学会)からも
認められております。
側弯症は、決して珍しい病気ではなく、
世界中で100年以上にわたり研究され続けている疾患です。
もし、民間療法だけで、
高確率にコブ角が大きく改善する方法が本当に存在するのであれば、
世界中の研究機関や医師会が、放っておくはずがありません。
民間療法を完全に否定するわけではありませんが、
正しい情報と冷静な判断が必要だと考えています。
まとめ|手術の一歩手前で知ってほしいこと
・コブ角20°以上は重要な分岐点
・装具は「どれも同じ」ではない
・ゲンシンゲン装具は背骨の矯正、側弯症の改善を目的とした装具
・ゲンシンゲン装具は成長期に合わせた大がかりな調整が可能
・ゲンシンゲン装具は、シュロス法との併用で高いエビデンスがある
「手術になる前に、選択肢を知っているかどうか」で、
将来は大きく変わります。
側弯症と診断された今だからこそ、
正確な情報をもとに、後悔のない選択をしていただければと思います。
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著者プロフィール 伊集院 博
兵庫県神戸市生まれ。千葉県千葉市在住。2007年に千葉市中央区にて伊集院鍼灸整骨院を開業。現在は千葉県で2店舗の鍼灸整骨院の代表を務め、院内にマシンピラティススタジオの併設、保育士在籍の託児所を併設するなど、独自のスタイルで運営している。
著書『ゴールデンライン 美しい姿勢をつくる44のレッスン』
ミッションは『笑顔の輪が広がる』。一人一人の患者様の笑顔を大切に、そして家族や地域に笑顔の輪が広がる活動を行っております。
主な資格と実績
- 伊集院鍼灸整骨院グループ代表
- 柔道整復師(国家資格)
- 鍼灸師(国家資格)
- ケアマネージャー
- シュロスベストプラクティスⓇ
(側弯症運動療法の資格) - 側弯症ピラティスインストラクター
- BESJ認定ピラティストレーナー
- BTA認定バレエダンサートレーナー
- ハワイ大学解剖実習終了
- 治療家大學技術講師就任









