側弯症の手術はしたくない…親としてできることとは?

投稿日:2025年10月14日 / 最終更新日:2026年1月16日

側弯症のお子様をお持ちの親御様へ

こんにちは。伊集院鍼灸整骨院院長の伊集院と申します。

柔道整復師、側弯症の運動療法シュロスベストプラクティスセラピストⓇ・側弯症ピラティスインストラクターの資格を持って活動しています。

お子さんが「側弯症」と診断されたとき、多くの親御さんがまず不安になるのは、

「将来手術になるのでは?」ということではないでしょうか。

特に、病院で「コブ角が○度以上なら手術です」と言われると、

急に現実味を帯びて、不安が押し寄せてくることでしょう。

今回は、

「できれば手術は避けたい」

「他に方法はないの?」

と考える親御さんのために、

手術の適応基準と進行リスク

手術の実態とリスク

手術を回避するためにできることをお伝えします。

手術が適応となるガイドラインとは?進行リスクを理解しよう

まず、手術の適応となる一般的な基準についてご説明します。

✅コブ角とは?

側弯症の診断に使われる「コブ角(Cobb角)」は、背骨の曲がりの角度をX線で測定したものです。

10度以上:側弯症と診断される

20〜25度:装具療法の適応になる場合あり

40〜45度以上:手術の検討対象となる(特に成長期の場合)

✅年齢と成長スパートに注意

思春期の成長期(特に女子では10歳前後)は、側弯症が進行しやすい時期です。

成長が止まる前にコブ角が40度を超えると、将来的にさらに曲がるリスクが高いため、手術を勧められることがあります。

とはいえ、「40度を超えたら必ず手術」ではありません。

重要なのは、

今後どれくらい進行する可能性があるのか?を見極めることです。

手術で本当に良くなるのか?知っておきたい再手術とリスク

手術には当然メリットもありますが、リスクもあります。親としては、その両方を冷静に知っておく必要があります。

✅側弯症の手術とは

一般的には「後方固定術」と呼ばれるもので、背骨に金属のロッドを入れて曲がりを矯正し、椎骨を骨移植で癒合させて固定します。

✅再手術のリスク

長期的に追加手術が必要になるケースも報告されています。

これは意外と知られていません。

✅隣接椎の変形(隣接椎障害)

手術で固定した背骨の上下にある椎骨に、負担が集中して新たに側弯が出てくるケースもあります。これを「隣接椎障害」と言います。

年数が経つにつれて、腰痛や背中の張りなどの不調が出る可能性もあります。

✅その他のリスク

感染

神経障害

金属アレルギー

可動域の減少(体を反らせない・捻れない)

個人差はありますが可動域の減少は必ず起こります。

もちろん、すべての方にこれらが起こるわけではありませんが、

「手術すれば全て解決」ではないということは、知っておく必要があります。

手術を検討する前に知っておきたい選択肢

ここからが、私たちが本当に伝えたいことです。

手術を勧められたとしても、すぐに決断する必要はありません。

成長期でまだ柔軟性がある段階なら、進行を抑えたり、角度を改善できる可能性もあります。

✅シュロスベストプラクティスⓇ(Schroth Best Practice)

ドイツ発祥の「シュロス法」は、側弯症の専門的な運動療法で、筋肉のバランスを整え、姿勢を改善する方法で、多くの高いエビデンス(科学的根拠)を有する運動療法です。

当院で行っている「シュロスベストプラクティスⓇ」では、日常生活に取り入れやすい動作・呼吸・セルフエクササイズを指導し、

ご家庭でも実践できる再現性を大切にしています。

実際に、コブ角が改善した事例や、結果として手術を行わずに経過しているお子さんもいらっしゃいます。

✅装具療法

適切にフィッティングされた装具(コルセット)は、成長期における進行抑制に非常に有効です。

ただし、装着時間・装具の種類・生活とのバランスなど、個別の対応が重要です。

装具+運動療法の併用が特に効果的となります。

装具の種類は多数あり、装具によって有効性がかなり異なってきます。

特に側弯症の矯正力が強く有効性の高い「ゲンシンゲンブレース」という装具をおすすめいたします。

ゲンシンゲンブレースについては別のブログで詳しくご説明いたします。

✅日常生活の注意点

・姿勢(座る姿勢・立ち方・寝方)

・歩き方

・重たい荷物やカバンを片側で持たない

・寝具(柔らかすぎる布団に注意)

・運動習慣(体幹強化・左右のバランス)

これらを意識するだけでも、進行リスクを減らすことができます。

親としてできること、伝えたいメッセージ

「うちの子に手術をさせたくない」

「でも進行するのも怖い」

そのお気持ち、痛いほど分かります。

私がこれまで関わってきた多くの親御さんも、同じような悩みを抱えていました。

中には「もっと早く知っていれば…」と後悔される方もいます。

だからこそ、今このブログを読んでくださっている親御さんには、声を大にして伝えたいのです。

それは、「早期の対策が未来を大きく変える可能性がある」ということです。

手術を完全に否定するわけではありません。

必要な場面も確かにあります。

ただし、正しい知識と選択肢があることで、手術を行わずに経過できる可能性もあるのです。

・手術の前にできることがまだある

・運動療法や装具療法で改善が見込める

・親子で一緒に日常生活の改善を取り組める

そんな選択肢があることを、ぜひ知っておいてください。

最後に…

もし今、不安でいっぱいの気持ちを抱えているなら、どうか一人で悩まずに、お気軽にご相談ください。

お子さんの未来のために、今できることを一緒に考えていきましょう。

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著者プロフィール 伊集院 博

兵庫県神戸市生まれ。千葉県千葉市在住。2007年に千葉市中央区にて伊集院鍼灸整骨院を開業。現在は千葉県で2店舗の鍼灸整骨院の代表を務め、院内にマシンピラティススタジオの併設、保育士在籍の託児所を併設するなど、独自のスタイルで運営している。
著書『ゴールデンライン 美しい姿勢をつくる44のレッスン』
ミッションは『笑顔の輪が広がる』。一人一人の患者様の笑顔を大切に、そして家族や地域に笑顔の輪が広がる活動を行っております。

主な資格と実績

  • 伊集院鍼灸整骨院グループ代表
  • 柔道整復師(国家資格)
  • 鍼灸師(国家資格)
  • ケアマネージャー
  • シュロスベストプラクティスⓇ
    (側弯症運動療法の資格)
  • 側弯症ピラティスインストラクター
  • BESJ認定ピラティストレーナー
  • BTA認定バレエダンサートレーナー
  • ハワイ大学解剖実習終了
  • 治療家大學技術講師就任
ゴールデンライン 美しい姿勢をつくる44のレッスン

院長の伊集院が姿勢の問題を抱える女性に向けた著書

「ゴールデンライン 美しい姿勢をつくる44のレッスン」を出版。

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