「整体で側弯症が治った」は本当?機能的側弯症と構築性側弯症を混同しないために

投稿日:2026年1月26日 / 最終更新日:2026年2月19日

― 側弯症の評価で誤解が生じやすいポイントを、整体・整骨院の立場から整理します ―

機能的側弯症と構築性側弯症の違い

もう一つ、側弯症に関して誤解が生じやすい重要なポイントがあります。

それが、機能的側弯症と構築性側弯症の違いです。

この2つは名前が似ていますが、

成り立ちも、意味も、対応もまったく異なる状態です。

【機能的側弯症とは】

脊椎(背骨)そのものに構造的な異常はなく、

背骨以外の要因によって一時的に弯曲して見えている状態です。

・主な原因

・脚の長さの左右差(脚長差)

・腰痛や坐骨神経痛などの痛みによる逃避姿勢

・習慣的な不良姿勢や身体の使い方のクセ

・改善の考え方

原因となっている痛み・姿勢・脚長差などを取り除くことで、

弯曲は改善、あるいは消失します。

※機能的側弯症は「背骨そのものの病気」ではありません。

【構築性側弯症とは】

脊椎自体がねじれ、椎骨の形状変化を伴っている

いわゆる「真の側弯症」です。

進行する可能性があり、

医学的な評価と経過観察、場合によっては治療が必要となります。

 

※本記事では「構築性(=構造性)側弯症」を、背骨そのもののねじれや形状変化を伴う“真の側弯症”として説明します。

【構築性側弯症の主な分類】

●特発性側弯症

全体の約80%を占める最も多いタイプ

・原因不明とされてきましたが、近年は遺伝的要因の関与が示唆されています

・発症時期により分類され、思春期に発症するものが最も多い

一般的に「側弯症」と言われる多くは、思春期特発性側弯症を指します

●先天性側弯症

・生まれつき椎骨の形成異常や分離異常があるもの

●神経・筋原性側弯症

・脳性麻痺、筋ジストロフィーなど神経・筋疾患が原因で起こるもの

●その他の構築性側弯症

・神経線維腫症

・マルファン症候群などの結合組織疾患

・外傷、放射線治療後など

機能的側弯症と構築性側弯症は「まったく別物」

この2つを一言で表すと、次のように考えると分かりやすいです。

・機能的側弯症

→ 「一時的にできた影」

原因を取り除けば、影は消えます。

・構築性側弯症

→ 「影を作っている本人(脊椎)が歪んでいる状態」

放置すれば、進行するリスクがあります。

自分はどちらの可能性が高い?

・痛み(腰痛・坐骨神経痛)と同時期に体が傾いてきた

・立ち方や姿勢を変えると左右差が大きく変わる

・脚長差が明らかにあると言われた

→ こうした場合は機能的要素が強いことがあります

一方で、

・前屈(アダムス前屈テスト)で肋骨の盛り上がり(リブハンプ)がはっきり出る

・姿勢を正しても左右差が残りやすい

・学校検診や整形外科で側弯を指摘された

→ こうした場合は構築性(構造性)の可能性があり、医療での評価が大切です。

「機能的側弯症」と「構築性側弯症」を混同すると起こる大きな誤解

機能的側弯症と構築性側弯症を区別せずに扱ってしまうと、

・「整体で側弯症が治った」

・「コブ角が劇的に改善した」

といった誤解が生まれやすくなります。

特に、構築性側弯症(多くは思春期特発性側弯症)に対して、

これらの表現が使われる場合は、慎重に見極める必要があります。

ネット上の情報に潜む落とし穴

側弯症専門をうたう一部の整体院・整骨院のWebサイトでは、

・機能的側弯症

・構築性側弯症

この2つを明確に区別せずに説明しているケースが少なくありません。

その結果、

構築性側弯症(多くは思春期特発性側弯症)が簡単に治るかのような誤解を招く表現が目立ちます。

治療院側が意図的かどうかは分かりませんが、

患者さん自身が正しい知識を持ち、冷静に判断することが非常に重要です。

民間療法がなぜ世界の標準になっていないのでしょうか

もし、特発性側弯症を高い確率で改善できる手技が、再現性をもって存在するなら、

いずれは研究・検証の対象となり、臨床ガイドラインや学会でも議論されていくはずです。

それだけ側弯症は、長年にわたり世界中で研究され続けている領域であり、

情報を判断するときは「再現性」「検証」「透明性」を一つの基準にすることが大切です。

整体院・整骨院として大切にしたいスタンス

当院では、

・側弯症を診断する

・コブ角を改善したと断定する

といったことは行いません。

一方で、

・姿勢

・身体の使い方

・呼吸

・日常生活での負担

を整えることで、

・進行リスクに配慮した身体づくり

・痛みやコリの軽減

・動きやすさの向上

をサポートすることは可能だと考えています。

まとめ|数字だけで判断しないために

・機能的側弯症:背骨自体は正常で、原因(脚長差・痛み・姿勢)を整えると改善できる可能性が大きい

・構築性(構造性)側弯症:背骨のねじれ・形状変化を伴い、医療での評価と経過観察が基本

・2つの側弯症を混同すると「整体で治った」などの誤解が生じやすい

・民間領域は診断や数値の断定ではなく、姿勢・呼吸・生活負担の最適化で“支える”役割

最後に、

「機能的か構築性か」を自分だけで断定しないこと。

不安がある場合は、まず医療機関で評価を受けたうえで、生活・姿勢・運動で支える選択肢を検討することが安全です。

不安をあおる情報に振り回されるのではなく、

正しい理解と、冷静な判断が、

結果的に将来を守ることにつながります。

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著者プロフィール 伊集院 博

兵庫県神戸市生まれ。千葉県千葉市在住。2007年に千葉市中央区にて伊集院鍼灸整骨院を開業。現在は千葉県で2店舗の鍼灸整骨院の代表を務め、院内にマシンピラティススタジオの併設、保育士在籍の託児所を併設するなど、独自のスタイルで運営している。
著書『ゴールデンライン 美しい姿勢をつくる44のレッスン』
ミッションは『笑顔の輪が広がる』。一人一人の患者様の笑顔を大切に、そして家族や地域に笑顔の輪が広がる活動を行っております。

主な資格と実績

  • 伊集院鍼灸整骨院グループ代表
  • 柔道整復師(国家資格)
  • 鍼灸師(国家資格)
  • ケアマネージャー
  • シュロスベストプラクティスⓇ
    (側弯症運動療法の資格)
  • 側弯症ピラティスインストラクター
  • BESJ認定ピラティストレーナー
  • BTA認定バレエダンサートレーナー
  • ハワイ大学解剖実習終了
  • 治療家大學技術講師就任
ゴールデンライン 美しい姿勢をつくる44のレッスン

院長の伊集院が姿勢の問題を抱える女性に向けた著書

「ゴールデンライン 美しい姿勢をつくる44のレッスン」を出版。

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