なぜ姿勢は“意識”では変わらないのか?

投稿日:2026年2月24日 / 最終更新日:2026年2月24日

― ピラティスから考える”身体にインストールされたパターンを書き換える”という視点 ―

姿勢を良くしようと思って、

・背筋を伸ばす。

・胸を張る。

・顎を引く。

その瞬間は整ったように感じます。

けれど、気づけばまた元の姿勢に戻っている。

そんな経験はありませんか?

これは意志が弱いからではありません。

努力が足りないからでもありません。

姿勢は、そもそも“意識”で保つものではないからです。

姿勢は無意識で保たれている

私たちは、立つ・座る・歩くといった動作を、

いちいち考えながら行ってはいません。

姿勢も同じです。

姿勢は「作るもの」ではなく、

無意識の中で保たれている状態です。

つまり、姿勢は“思考”ではなく

“神経のプログラム”によって支えられています。

身体にはパターンがインストールされている

・長時間のデスクワーク。

・スマートフォンを見る姿勢。

・前かがみでの家事や育児。

・片側に重心をかける立ち方。

こうした動作を何年も繰り返すうちに、

身体には特定の使い方のパターンが“インストール”されていきます。

・どの筋肉を使うか。

・どこで支え、どこを抜くか。

・どの方向へ重心を預けるか。

それらはすべて、神経系が覚えた動きのパターンです。

人はインストールされたパターンに流れる

長年使ってきた動きは、効率が良く、慣れています。

エネルギーもあまり使いません。

だから人は、自然とそこに戻ります。

意識で一瞬変えても、

無意識のプログラムが優先されるのは当然です。

姿勢が戻るのは、

あなたが怠けているからではありません。

身体が“いつものパターン”に戻っているだけなのです。

姿勢を変えるとは「書き換え」である

姿勢を変えるとは、

形を整えることではありません。

身体にインストールされたパターンを書き換えることです。

そのためには、新しい支え方を繰り返し体験し、

神経系に再学習させる必要があります。

これが「再教育」という考え方です。

なぜ整体だけでは書き換えられないのか

整体は、身体を整える手段です。

固まった筋肉をゆるめ、

歪みを一時的に整える。

それ自体はとても大切です。

しかし整体は基本的に“受け身”です。

整ったとしても、

身体の使い方までは変わりません。

インストールされているパターンがそのままであれば、

時間とともに元に戻ることは不思議ではありません。

受動ではなく、能動が必要

姿勢を変えるには、自分で動く必要があります。

・どこを使うのか

・どこを抜くのか

・どう支えるのか

それを自分の身体で体験し、覚え直すこと。

受動的に整えるだけではなく、

能動的に「正しく使う」を再インストールすることが大切です。

グループレッスンでは難しい理由

グループレッスンは、運動習慣をつけるという意味ではとても良い方法です。

しかし再教育という視点で見ると、

一人ひとりの身体のパターンは違います。

間違った使い方のまま動けば、

その間違ったパターンを強化してしまうこともあります。

正しい支え方をインストールするには、

細かな修正と個別のフィードバックが必要です。

正しく使うをインストールする

姿勢は筋力だけの問題ではありません。

大切なのは、

「どの筋肉をどう使うか」

「どこで支えるか」

という“使い方”です。

それを身体に覚えさせること。

無理に正すのではなく、

自然に縦に保てる状態を思い出すこと。

ピラティスで大切にされるエロンゲーションも、

形を作ることではなく、支え方を再学習するプロセスです。

背骨の長さを保つという感覚を、

何度も体験し、身体に再インストールしていく。

その結果として、姿勢は少しずつ自然に整っていきます。

まとめ

姿勢は意識だけでは変わりません。

なぜなら、長年使ってきたパターンが身体に刻まれているからです。

変えるために必要なのは、

努力や我慢ではなく、書き換えという視点。

受け身ではなく、

正しく使うをインストールすること。

身体は、学習する存在です。

正しい体験を重ねれば、

姿勢は無理なく、徐々に変わり始めます。

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著者プロフィール 伊集院 博

兵庫県神戸市生まれ。千葉県千葉市在住。2007年に千葉市中央区にて伊集院鍼灸整骨院を開業。現在は千葉県で2店舗の鍼灸整骨院の代表を務め、院内にマシンピラティススタジオの併設、保育士在籍の託児所を併設するなど、独自のスタイルで運営している。
著書『ゴールデンライン 美しい姿勢をつくる44のレッスン』
ミッションは『笑顔の輪が広がる』。一人一人の患者様の笑顔を大切に、そして家族や地域に笑顔の輪が広がる活動を行っております。

主な資格と実績

  • 伊集院鍼灸整骨院グループ代表
  • 柔道整復師(国家資格)
  • 鍼灸師(国家資格)
  • ケアマネージャー
  • シュロスベストプラクティスⓇ
    (側弯症運動療法の資格)
  • 側弯症ピラティスインストラクター
  • BESJ認定ピラティストレーナー
  • BTA認定バレエダンサートレーナー
  • ハワイ大学解剖実習終了
  • 治療家大學技術講師就任
ゴールデンライン 美しい姿勢をつくる44のレッスン

院長の伊集院が姿勢の問題を抱える女性に向けた著書

「ゴールデンライン 美しい姿勢をつくる44のレッスン」を出版。

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